<日本循環器学会総会>
2010年3月5日(金曜日)から7日(日曜日)は臨時休診を頂き、国立京都国際会館で開催された第74回日本循環器学会総会に参加してきました。
この総会は年1回開催され、全国の循環器医が一堂に会する循環器医にとって最大のイベントです。今回のテーマは「知の集約による真理の探求-基礎と臨牀の融合-」でした。疾患の発症機構を探索する基礎研究、患者さんを対象に治療の有効性と問題点を検証する臨床研究、そしてこの基礎研究と臨床研究とを結びつけるトランスレーショナル研究の複合的なアプローチを考えるための情報提供の場となりました。こうした研究成果は主立った循環器疾患の診療における“ガイドライン”としてまとめられ、日常診療の標準となっています。昨今、インターネットで情報が容易に手に入る時代となりましたが、得られる情報の質の評価にはたいへん難しいものがあります。特に疾病に関連するものの中には誤解を招くような、あるいは非科学的な情報もときとして目につきます。その意味では、学会のガイドラインは現在の診療の標準を知る上でもっとも信頼できる情報源です。これらは、臨床医向けですので-般の方には難解なところも多いと思いますが、循環器疾患のガイドラインは学会ホームページhttp://www.j-circ.or.jp/guideline/ にリストされていますので参考にしてみて下さい。海外の学会ホームページでは一般向けに疾患を平易にわかりやすく解説したpatient pageがありますが、日本の学会でもはやく対応して欲しいものです。
今回の総会において不整脈診療ではホットな話題が多かったのですが、冠動脈疾患では急性冠症候群の病態解明と予防治療が話題のメインとなり、一世を風靡した薬剤溶出ステントを使用しての安定狭心症に対する血管形成術の話題は内科治療の重要性が再確認された今は旬を過ぎた印象でした。