心身症
心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害の認められる病態、という定義になります。簡素な表現をすれば、身体的症状が現れる原因に“心の不安定さ”(いわゆるストレス)が関与している病態となります。そして、器質的障害とは検査により画像的あるいは数値的に症状を説明できる異常が指摘できる病態ですが、機能的障害においてはそうした検査で症状を説明できるような異常を指摘できません。また、興奮系の自律神経である交感神経と安静系の自律神経である迷走神経の反応と調和の乱れから生じる自律神経失調症においても同様に様々な症状が現れ、この心身症とも密接に関連しています。心身症における循環器系の症状としては、一過性ないし持続性の血圧上昇、動悸を伴う頻脈や不整脈、そして胸痛、胸部圧迫感、息苦しさなどの胸部症状が含まれます。背景疾患が指摘できないこうした循環器系の症状は通常は危険性のないものですが、ご本人の苦痛が強いような場合は対症的な薬物治療よりも心療内科で相談することをお勧めします。
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