右心不全
右心の役割は全身からもどる静脈血を肺に送り出すことです(fig.5)。先天性心臓疾患や心タンポナーデなどの心疾患、あるいは慢性閉塞性肺疾患や慢性肺梗塞など肺血管抵抗が増強した状況では、右心は血液を適切に肺へ拍出することが出来なくなります。すると、血液は右心の手前に位置する静脈内に溜まる(静脈うっ血)ようになります。この病態が右心不全で静脈うっ血によるむくみを主体とする症状が出るようになります(fig.10)。
● 軽症: 体重増加、夕方増強する下肢浮腫、夜間尿量増加
● 中等度: 持続性の下肢浮腫、頚静脈の怒張
● 重症: 全身浮腫、肝臓の腫大、胸水、腹水、黄疸、食欲不振
診断:
心臓超音波検査(右心負荷像の有無)、腹部超音波検査(下大静脈拡張、肝うっ血の有無など)、血液検査(BNP測定)、胸部レントゲン(心臓の大きさ、肺うっ血・胸水の有無)、胸部単純CT(肺実質疾患の評価)