起立性低血圧・神経調節性失神
仰臥位や座位から立位へ体位変換した後3分以内に収縮期血圧が20mmHg 以上低下するか、収縮期血圧が90mmHg未満にまで低下、あるいは拡張期血圧が10mmHg以上低下する場合は起立性低血圧と診断します。
神経調節性失神(NMS: neurally mediated syncope)は失神の約30%を占めるとも言われ、心拍と血圧を制御する交感神経と迷走神経の調節障害が背景にあります。脈拍低下を主体とする心抑制型、血圧低下を主体とする血管抑制型、そしてその混合型に分類されます。
長時間の立位・座位、急激な起立、痛み刺激、精神的・身体的ストレス、あるいは人混みの中、閉鎖空間のような環境因子を誘因として発症します。通常10秒以上の前駆症状(口渇、吐き気、胃部不快感、熱感、動悸、息苦しさなど)を伴っています。初回失神からの経過が4年以上にわたる場合はこのNMSがまず疑われます。
そのほか、排尿、排便、嚥下、咳嗽など特別な状況において生じる状況性失神と呼ばれているものもこれに含まれます。
診断:
自律神経機能検査
※尚、当院では起立性低血圧・神経調節性失神の原因検索・治療は行っておりません。神経内科医にご相談していただくことをおすすめ致します。