動悸
動悸と表現される症状は人それぞれで違います。大きく分けると次の3つになります。
1) 脈拍が多い(いつも多い、一時的に多くなる)
2) 脈拍に乱れがある(1拍だけ脈が抜ける、すべての脈がバラバラになる)
3) 脈拍を強く感じる(脈がドクンドクンうっているのがわかる)
このうち心臓が原因となって生じる動悸は1)と2)です。
脈拍リズムの異常(多い、乱れる)を自覚する動悸は不整脈が原因である可能性があります。こうした不整脈は受診時には正常となっている場合がほとんどですので出現した際に自分で確認することが重要です。そのためには日頃から脈拍を自分で調べる習慣をつけることが必要となります。脈を良く触れる部位(手首、肘、頚部など)をみつけて、平常時の脈のうち方と心拍数(脈拍数/分)を知っておき、症状が出たら直ちに脈拍をとりそのリズムに変化がないか(脈が抜ける、バラバラにうつ)、時計を見ながら心拍数を数えそれが増えていないか確認します。脈のリズムに不整があったり脈拍数が通常の倍か120回/分を越えている場合は不整脈の可能性が高いと考えられます。なお、日頃から慢性的に脈拍が多い場合は貧血や甲状腺機能亢進症など全身疾患が関与する場合もあります。これに対し、脈のリズムや心拍数に変化はないけれど脈がうつのを強く感じてしまうという、分類で3)の場合はストレスによる心因性反応とか自律神経の不調が原因となっている場合が考えられます。効率的に診断するために動悸で受診する前には脈拍の自己チェックを行い、3つの分類のどれに入るかしっかり確認しておくことが重要です。