めまい、失神
循環器疾患でもめまい、失神がおきます。
心臓が原因となるめまいは普段通りに活動している最中になんの前触れもなく突然意識が遠のく感じがして倒れそうになる“一瞬の感覚”が特徴です。頭の向きを変えたときに生じるくらっとする感覚、あるいは天井がぐるぐる回り吐き気をともなってしばらく続くめまいは心臓性ではありません。また、急に立ち上がったときの一瞬のめまい(たちくらみ)、しっかり立っていられないようなふわふわした浮遊感、そしてまっすぐに歩くことが出来ない失調感なども心臓性ではありません。こうしためまいは平衡機能の障害などが背景にあり耳鼻科的疾患が関与している可能性が高く、稀に中枢疾患がある場合もあります。
心臓が原因の失神は“いきなり幕がおりる”ように、前兆がなく突然に完全に意識がなくなるというのが特徴です。ですから、無防御で転倒することになり大けがをすることも稀ではありません。意識を失ったときの様子に記憶がなく、気がつくと地面に横たわっていたというような状況になります。原因のほとんどが重症不整脈で、心臓を動かす電気刺激の生成や伝導に問題のある徐脈性不整脈(心静止)か心臓が細かく震えて血液を送り出せなくなる頻拍性不整脈(心室細動)があります。稀には心臓の構造的疾患が背景にある場合もあり、その場合は階段を駆け上がったり小走りに走ったとき、あるいは重いものを持ったりトイレで力んだときに突然意識を失うという特徴があります。